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観光地レポート
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首都圏外郭放水路
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龍Q館?何の建物?聞きなれないものなので何かと興味がわく。
それは「首都圏外郭放水路」の庄和排水機場内に“龍Q館”が出来たのです。
この龍Q館では「地底探検ミュージアム」があり、その機能をモデルや映像で詳しく説明をしてくれます。
首都圏外郭放水路は、あふれそうになった中小河川の洪水を地下に取り込み地下50mを貫く
総延長6.3kmのトンネルを通して江戸川に流す、世界最大の洪水防止施設です。日本が世界に誇る最先端の土木技術を結集し、現在まで全体のおよそ8割が完成。平成14年から部分的に稼動し、これまで約456万m3の洪水を安全に処理するなどまざましい治水効果を発揮しているようです。
放水路の中を見学予約をしてその地底を見学することが出来ます。
興味津々どの様なものか?早速予約をして見に行ってきました。 |
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「龍Q館」施設紹介
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1階 |
市民ギャラリー |
市民による作品を展示するコナー |
地層タワー |
工事中に出来た地下25mの地層を切り取りタワーにしたもの。
約12・5万年前の貝の化石を確認する事が出来る。 |
2階 |
地底体感ホール |
首都圏外郭放水路の知られざるその壮大なパワーを映像でバーチャル体験するコーナー。 |
テクノロジーボックス |
最新技術を駆使して作られた外郭放水路の機能を模型により紹介。 |
マイタウン・マイリバー |
地域の歴史や文化、江戸川に暮す生きもの達の姿などをパソコンやビデオ、書籍等で
再発見するワークショップステーション。 |
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1階 正面玄関 |
市民ギャラりー |
市民の手で書かれた絵 |
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テクノロジーボックス |
地下25m地層 |
首都圏外郭放水路のメカニズム |
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龍Q館の名前の由来
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何でこの様な不思議な名前がついたのでしょうか?
それは管理支所のある庄和町に伝わる「火伏の龍」
伝説と、「AQUA(水)」にちなんだもので、住民の方が
名付け親だそうです。
この施設をつくる際に行った一般公募の中から選ばれた
ようです。 |
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なぜ首都圏外郭放水路がつくられたのか?
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龍Q館のある風景 |
中川周辺は、大雨が降るたびに浸水被害に見舞われてきました。
そのため、これまでにも堤防を強化したり、川幅を広げたり、綾瀬川放水路をつくったり様々な治水対策を行ってきました。
しかし、それだけでは浸水被害は解消されず、そこで考え出されたのが、中川の各支川からあふれ出る水を地下50mにあるトンネルを経由して江戸川へ流す「首都圏外郭放水路」です。
地下を通るこの放水路、長さ約6・3kmにも及び、国道16号の地下でひっそりと、しかし急ピッチで現在でも整備が進められています。
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シールドトンネル
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国道16号の下を通っているトンネルはどの様に掘られたのですか?
トンネル(地下河川)は、シールド工法が採用されました。
シールドとは大深度(地下50m)、大口径(トンネル内径10.6m)である事から密閉式型泥水式シールド工法が採用されている。円筒状の鉄製の筒を地山に押しながら掘ってつくるトンネルをシールドトンネルといます。この写真のシールドマシンが回転して掘り進んでいく姿は凄いでしょうね。
鉄製の筒に掘削機を取り付け、前面の土砂を防護しながら掘削すると同時に、シールドマシンを前方に押し出す。押し出されたシールドマシンの背後では、セメントを円環状に自動で組み立て、順次この作業を繰り返し、トンネルを構築していくそうです。 |
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トンネル諸元
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工 区 |
掘進区間 |
堀進延長 |
トンネル内径 |
第1トンネル |
第1立坑→第2立坑 |
1,396m |
10.6m |
第2トンネル |
第2立坑→第3立坑 |
1,920m |
10.6m |
第3トンネル |
第3立坑→第4立坑 |
1,384m |
10.6m |
第4トンネル |
第4立坑→大落古利川 |
1,235m |
10.9m |
連絡トンネル |
第5立坑→第4トンネル |
380m |
6.5m |
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流入施設
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倉松川、中川といった河川の水位が高くなると、越流堤より洪水流入が開始されます。地域を洪水から防ぐ第1段階になるところです。いろんな配慮がされているようです。
自然越流堤 |
基本的に河川の水位が上昇し、越流堤の高さを越えた時点(自然に越流)で外郭放水 路へ洪水流入が開始される。越流堤の高さは周辺の最低地盤と同程度としてあり、中小洪水でも充分機能するように配慮されている。 |
除塵機 |
河川の水が越流堤を越えて流入する時に立坑手前に流木やペットボトル等の ゴミが地下に流れ込まないよう除塵機というゴミ取り機が設置されている。
ここで取り除かれ たゴミはベルトコンベアーを伝って自動的にゴミが収集される仕組みになっている。 |
集音マイク |
越流堤の近くには水の流れ落ちる際の騒音により、周辺地域への影響を調査する前 の集音マイクが設置されている。 |
子がも救出 |
河川の水が越流堤を越えた際に第3立坑の流入施設に流れ込んでしまった子がも(まだ飛べないかも)を無事に救出した。 |
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立坑(スペースシャトル?)
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スペースシャトル |
立坑は第1から第5まで5本有り格立坑は地下トンネルでつながっている。
(第5立坑は今後)格立坑は約70mの深さで内径が約30mといった巨大筒です。これはスペースシャトルや自由の女神がすっぽり入る深さです。
(第5立坑のみ内径15m) |
5つの立坑別の役割 |
立坑は工事の作業基地としてトンネルを掘る為にシールドマシーンの
発進及び到達の基地となり、完成すると格中小河川から洪水を取り込む為の施設となる。加えて管理車両の搬入や換気設備の取り付けなどと放水路の維持管理にも使われている。 |
第3立坑の底の扉 |
第3立坑はエレベーターで底盤まで降りると潜水艦にあるような防水扉が二重に取り付けられている。この防水扉は立坑の外側にエレベーターを含めた機械設備がある為流入した水が流れ込まないように設置された物です。 |
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第3立坑(過流式ドロップシャフト)
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第3立坑では倉松川・中川の洪水を流入させる為に、倉松川流入に過流式ドロップシャフトを採用している。これは、立坑の流入口から立の壁面に沿って水が流れ落ちるように、流入口の形を変形させ、60m近く落下する水の衝撃を緩和し、2つの河川の流入線型が交差して不要な抵抗が発生しないように採用された構造です。
シールドマシンと第3立坑の写真は、龍Q館見学の折いただいたPOST CARDになっている写真をお借りしました。 |
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首都圏外郭放水路の全体構図
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トンネル
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巨大地下放水路 |
トンネルの長さは庄和町上金崎から春日部小渕まで約6.3m。現在工事完成時試験通水(利用)しているのが3.3m。トンネルは内径10m。地下鉄より更に深い。国道16号の地下50mを走っている放水路。 |
泥水式シールドマシーン |
地中を掘り進んでトンネルを作る機械。マシンの前面のカッター盤が回転して土を削り、掘り終わった部分にセグメントというブロックを設置し組み立てて行く。現在第1立坑から第5手前までの約5.9km完成し第5立坑から連絡トンネル約0.38km(380m)を今後掘っていく予定 |
セダメント |
トンネルを掘ると同時にセグメントというコンクリートを円内に設置する。
設置作業は立坑から自動搬送されトンネル先端部で自動組み立てされる。順次この作業を繰り返す事でトンネルが出来る。 |
緑色の非常灯 |
現在建設中の第4立坑から第5立坑へ向かうトンネル内に、所々に緑色の
非常灯が設置されている。これは50m間隔を示す為に配置された。 |
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排水機場
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洪水流を調圧水槽から巨大ポンプを経て排水樋管に送る役割と水流を安全制御する役割を持つ首都圏外郭放水路の心臓部である。
ガスタービン:航空機用に開発された10300kwのガスタービンを改造し、飛行機のプロべらの 代わりにポンプを回すようにしたもの。
風を起す部分と風車の部分から構成され燃料を燃やしてつくられた、熱くて強い風 の力でインペラが回り、インペラ(羽根車)で排水作業が行われる。
排水機場地下にある巨大ポンプは、1秒間に200トン(25mプール1杯分)もの水を排水する事が可能。このポンプはガスタービンからのエネルギーを利用して、インペラを高速で回転させる事により水にエネルギーを与える仕組みのようです。 |
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調圧水槽
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ここは地下トンネルから流れ出た水の勢いを弱め、スムーズに流す為の巨大プールです。
荘厳な雰囲気が漂う首都圏外郭水路で一番人気がある場所のようです。
私もここが一番見たいところでしたので、わくわくしました。でも見学した日は工事中でこの巨大な柱の所を歩く事は出来ずとても残念です。
この調圧水槽の地下室に異次元的で、神秘的な要素が有る為治水施設のみでなく「仮面ライダー555」「ウルトラQ」「釈由美子のスカイハイ」「鉄人28号」といった映画、TV等の撮影場所としても活躍している。今後も多目的な利用が望まれるようです。まさしく調圧水槽は映画村と言った所です。
まさかこの様な所で意外な一面を知って驚かされた。機会があれば撮影風景をも見学したいですがこの中には入れてもらえないだろうな〜? |
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まだまだ驚くことが続く。この調圧水槽に水があったことを示す柱の色の変わりは、まさしくここまで水につかっていたことを物語っている。勿論水が入っている時は、入室禁止。怒涛のごと
く水は流れ込み渦巻く?といった光景を見てみたい心境にかられた。
そしてこの柱は調水槽の天井を支えていて59本ある。
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長さ |
高さ |
幅 |
重さ |
1本の柱 |
7m |
17m |
2m |
500トン |
調圧水槽 |
177m |
25.4m |
78m |
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操作室
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外郭放水路の頭脳といえる場所です。
衛星から寄せられる気象情報から地底内部の水流の状態まで全ての情報が集められ、その作動の体制を監視し制御する施設です。監視操作パネルが並び外郭放水路流入施設のゲート開閉や排水機場(地下トンネルや立坑、調圧水槽内に溜まった水を江戸川へ放流する施設)の地下に設置された排水ポンプ施設の起動、停止といった作業をコンピューターで元管理しているのです。 |
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「首都圏外郭放水路」地下に潜む龍が街を守った
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平成14年7月、台風6号がどの地域を襲いました。首都圏外郭放水路の倉松川から江戸川までの3.3kmを試験通水した1ヶ月後のことです。しかし、456万M3
という東京ドーム3.7杯分もの洪水を地下に貯め、江戸川に排水したことにより、春日部市・庄和町・杉戸町・幸手町などの浸水被害は、放水路の整備前に比べて、浸水面積で言うとほとんど無いと言って良いほど大きく軽減されました。その効果のほどは、てきめんというワケです。完成が待ち遠しいですね。
プロジェクトX龍Q館、想像も出来ない技術で地下を掘り進み、とてつもない大きい器に水を誘い込み首都圏外郭放水路は、流域の浸水被害を軽減している事実を知り、科学的技術人間の知恵のスケールの大きさに感服しました。
龍Q館の所から富士山が思いのほか良く見え、富士山が見える場所としても名所になりつつあると説明がありました。日本一高い富士なれば首都圏外郭放水路は日本一優れた龍であるのかな〜と思いました。 |
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龍Q館への地図と見学会の概要
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受付期間 |
1ヶ月前から1週間前後(定員に達し次第締め切り) |
見学対象者 |
未就学児童は不可 |
定員数 |
1回20名程度とする。1グループ20名以上の場合は
別途連絡する |
申し込み |
予約 |
キャンセル・参加人数変更 |
事前に必ず連絡する |
集合場所 |
首都圏外郭放水路インフォメーション
(庄和排水機場内 龍Q館2F)
〒344−0112埼玉県春日部市上金崎720
Tel. 048-747-0281 |
開館時間 |
9:30〜16:30 |
休館日 |
月曜日/年末年始 入館無料 |
HPアドレス |
首都圏外郭放水路インフォメーション
http://www.g-cans.jp/
国土交通省 関東地方整備局 江戸川河川事務所
http:/www.ktr.mlit.go.jp/edogawa |
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参考資料:龍Q館で頂いたパンフによります。
見学会は首都圏外郭放水路の工事によりあったりなかったりするので、龍Q館へ電話で確かめてください。 |
by まるちゃん |
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